・何度説明しても理解してもらえない。
・やる気を感じられない。
・注意の仕方がわからない。
新人を教育する時にこんな悩みをした事ありますよね。
人に教えるという事は本当に難しいことです。
今日は、自分から意欲的に学んでいくようなガツガツとしたタイプではない人を教える時に効果的な指導法について書いていきたいと思います。
アウト・イン・アウトの原則
「ノートをまじめにとっている」と「仕事を覚えた」はイコールだと思いますか?
その人なりに一生懸命やっている姿勢は見えますが、できるようにはならない。
それは、教える側が、「頑張っているかどうか」という「プロセス」に焦点をあてた教え方をしてしまっているからかもしれません。
焦点をあてるべきは、できるようになったかどうかという「結果」です。
仕事は、
①現状把握(相手にアウトプットさせる)
②情報伝達(相手に合わせ、インプットさせる)
③達成確認(相手にアウトプットさせる)
という①~③の順番で教えると効果的です。この流れを「アウト・イン・アウトの原則」と私は呼んでいます。
はじめにすべきことは、相手の現状を把握することです。
いきなり情報を伝えるよりも、相手の現状を踏まえた上で伝える方が、より精度の高い教え方ができます。
ここで大切なことは
『YES or NOの質問を使わないことです。』
私も中途社員の教育担当を任された時にこんな経験がありました。
「中途で入社してきた〇〇さんに仕事を割り振るにあたり、経験者だったので『〇〇の業務はできますか?』と質問したところ、『できます!!』と答えたので任せることにしました。ところが、確認してみると、その業務をこなすスキルはもっていなかったことに気付きました。
〇〇さんは、前職でその業務はあまり担当してなかったが、一応やり方は知っていたので、「できる」と思ったそうです。
この例のように、本人が「できる」と思っていても、客観的に見ると「できる基準に達していない」ということもよくあります。
だから、現状把握は、Yes or Noで答えが返ってくる質問ではなく、
「〇〇について、現段階でわかっていることを説明してくれますか?」
「〇〇について、現段階でできることを、実際にやってみせてくれますか?」といった質問を行い、本人が出した、「アウトプット」を通じて現状を把握するほうがいいです。
実際にやらせてみて相手がアウトプットした上での現状把握なら、精度は高くなります。これを踏まえて、相手の現状に合わせてインプット、つまり、新人ができていないところを教えるのです。
そして、最後にすべきことは、達成確認です。
「教える」という行為は、「学習者がどの程度理解したかは、実際にやらせてみてはじめて判明する」という「積極的反応の原理」にもとづいて完了したといえる否かを判断するものです。
教えた〇〇について、説明させてみる。
教えた〇〇を、実際にやらせてみる。
つまり相手が出したアウトプットを通じて判断するのです。
よく教えたあとに、「わかった?」と質問して確認する方もいますが、大半の人は、
「わかりました」と答えると思います。
けれど、「わかる」ことと「できる」ことは別物です。
【教え上手ではない人とは】
①現状把握をせずに、一方的な自分のペースでインプットする。
②達成確認をせずに、教えっぱなし
最後に
自分で考えて、自分で動ける人を育てるには、
アドバイスのタイミングが大切です。
すぐに正解を教えてしまうと、相手は思考を停止させる上に、まるで自分で選択したような錯覚を起こします。
答えだけを知っていても、本当に理解していることにならないのですが、わかった気になるのです。すると想定外のことが起こった時、自分でなにも決められなくなります。
自分で考えて、自分で動ける人を育てる為には、アドバイスをする前に、まず自分なりに考えて、結論を出してもらいましょう。
「どうしたらいいのでしょうか?」と尋ねられたら、「どうしたらいいと思いますか?」と尋ね返してみるのです。
その人なりの結論を聞いて、自分と同じ考えならそのままでいいと思います。もし違っているのであれば、何個か他のやり方もあると説明するのもいいと思います。
一番大事なことは、どうするべきかを相手に選ばせることです。
このように答えを見つけるプロセスを自らたどることによって、その人は似たような問題に直面したとき、自分で対処できる力を得ていきます。
先に教えるのではなく、まず相手に答えを出させるようにしましょう!!
本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。それではまた!!