おはようございます。はんたんです!!
今日は、前回の続き、『飲食店の機会損失の具体例について』です。
【目次】
機会損失の具体例
ピーク時間帯の在席客数を客席数で割った数字を、満席率という。たとえば、ランチタイムには、ウエイティングの列ができる。このウエイティングが発生した時点が、満席状態です。ところが、普通は満席といっても、満席率は70~80%前後でしかない。この原因は、席のとり方にあります。
通常、レストランのテーブル席は4人掛けを基本パターンにしている。1組当たりの客数を3~4人と想定しているためです。しかし、実際の1組当たり客数は、一般的に、平均して2人以下です。多いお店でも、せいぜい3人です。みかけの席数はあっても、実質稼働率は低=死に席が多いのです。それなら、はじめから2人席にしておいて、1組3人以上のお客様の場合はテーブルをつなげられるようにしておくべきなのです。お客様は普通、相席をいやがる。混雑が当然のランチタイムでも敬遠されるし、ディナータイムならほかのお店へと流れてしまう。これが機会損失です。
たとえば、4人掛けテーブルに2人(1組)のお客様が着席している。そこに1人で相席させられるのは、お客様の心理として非常に抵抗があります。また、同じ相席でも2人掛けテーブルだと、知らない人と向かい合っても、それほどの抵抗感はないものです。
ピーク時間帯の満席率を高める
飲食店の最大のテーマは、売れる時にお客様に迷惑をかけずに、いかにたくさん売るかということです。季節変動があれば、売れる月にとにかく稼ぐ。同様に、曜日や時間帯によって来客数が違うのであれば、平日、土曜日、日曜、祭日、あるいは金曜日と、客席レイアウトを変えていく必要があります。ピーク時間帯の満席率をいかに高めていくかということが、店長の重要な仕事になるわけです。そのためには、自店のピーク時の満席率と、曜日、時間帯別の1組当たり客数のデータをとり、集計・分析してみることです。
データの分析というと平均値がつきものだが、この場合は平均人数を求めても意味がない。2人客と4人客が多いと、平均は3人ということになるが、3人を想定して4人掛けテーブルのみにしたのでは、元のモクアミである。この場合に大事なのは、もっとも多く来店する1組当たりの客数に対し、テーブル当たりの客席数が上手く対応しているかどうかなのです。
与えられた条件の中で改善できる店舗レイアウト
店舗レイアウトでは、従業員の作業動線も重要なポイントである。
まず、ホールの場合、どの席に対しても最短距離で行くことができ、テーブルでのサービスの支障にならないテーブル配置になっていることが理想だ。と同時に、厨房へのオーダー通しやテーブル・セッティングの準備、料理を運んだり皿を下げる、といった一連の仕事がスムーズに流れるようなレイアウトになっていなければ、ピーク時のサービスが混乱するのは必至です。その混乱が結局はお客様の滞席時間を長くして、客席回転率を低くしてしまう。ウェイティング客が全員、黙って待っていてくれるわけではないのです。
また、厨房内の作業動線も重要だ。これの効率が悪いと、オーダーをさばき切れず、客席回転率の低下をもたらす。クレームの原因をつくることにもなる。
こういう基本的な店舗レイアウトについてはもちろん、店長の一存でどうこうなるものではない。しかし、だからといって、その点では店長の責任はない、ということにはならない。
レイアウトに欠陥があるならそれなりに、与えられた条件のなかでのもっとも効率のよいやり方を考え出すには、店長の責任である。しかし、理想的な作業動線を確保できるレイアウトを知らなければ、なんとかそれに近づけようとする努力もできないわけです。また、場合によっては、レイアウトの変更や手直し=改装を会社に提言することも、店長の役割なんです。
せっかくの売るタイミングを逃している
機会損失は、客数だけの問題ではない。サービスの仕方も大いに関係してくる。
たとえば、客単価アップは売上高増大の重要なテーマである。いちばん手っ取り早い方法は値上げだが、これが簡単に出来るのなら誰も苦労はしない。一般に、一割値上げすれば客数は1割減少するといわれている。そこでテーマとされるのが、おすすめ販売です。なかでも、追加オーダーは無理なく客単価を上げるため、多くのお店で少しでもとろうと努力している。
ところが、これがトップのかけ声ばかりでいっこうに効果が上がらない、というお店が少なくない。機械的に押し売りするばかりで、売れるタイミングということが頭に入っていないからです。
おすすめ販売に無理押しは、絶対に禁物です。お客様の意思を尊重しない強引な売り方は、必ずお客様の反発を招く。お客様満足度はレジでお金を支払うときにだいたい決まるが、その時「余計に使わされた」と思われたらおしまいです。納得して払うかどうかは、金額以前の問題なのです。
そうではなく、お客様がオーダーしたいと思っているその時を逃さず売る。これが売れるタイミングということです。
たとえば、お客様がそのサインを送っているとき。これを見逃してしまうお店が結構多い。せっかくの売れるタイミングを、みすみす逃してしまうのです。お客様の声が小さいから、アクションが小さいから、あるいはピーク時で忙しかったから、など言い訳にしてはならない。普通お客様は、わざわざ大声を出してまで追加の注文をしたりしない。そういうお客様ばかりだと思い込んでいたとしたら、多くの追加のサインを見落としていた証拠なのです。
これは、店長の従業員教育の問題です。サービス要員全員がこのことをしっかりと頭に入れていれば、かなり機会損失を防ぐことができる。と同時に、サービス技術を訓練して、人時接客数を高めていくことです。そうすれば、客回転もおのずとよくなっていきます。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございま。それではまた