お店で役立つ『近接心理学』
店長とアルバイトとの人間関係の中に、又は男女関係、会議やビジネスシーンに近接心理学が当てはめられる。
近接心理学が、どのような場面でどのような役割を果たしているのか、そしてどのようにそれを利用したらよいのかについてできるだけ具体的な例をあげながら説明していきます。
8つの距離帯を効果的に利用する
さまざまな場面で使われているパーソナル・スペース(個人空間)は8種類に分類されている。この8つの距離帯の意味を知っていれば、「今、部下は自分にどのくらいの親しみを感じているのか」とか、「どの程度、親密なつきあいを望んでいるのか」などということが推測できる。
この距離がうまく使いこなせれば、「部下と自分との関係をコントロールする」こともできます。よりスムーズな人間関係のために、この8つの距離帯を効果的に利用してみて下さい。
①【密接距離】よほど親しい間柄でないと不快感が
近接相(0~15㎝)/遠方相(15~45㎝)
相手を愛撫したり慰めたり、保護したりするために利用される距離であり、恋人や夫婦などのかなり親しい人同士が使うことのできる距離です。
言葉より、視線の交錯や身体的な接触、相手のにおいや体温などを通したコミュニケーションが重要な意味を持っている。ダンスの時に使われる距離であるが、混雑した電車の中で他人がこの距離まで近づくと不快になります。
②【個体距離】個人的な要件を切り出す時には・・・
近接相(45~75㎝)/遠方相(75~120㎝)
どちらか一方の人が自分の手や足を使って、相手の体を抱いたり、つかまえたりすることのできる距離から、両方が手を伸ばせば相手の指先にふれる事のできる距離までであり、身体的な支配の限界です。
相手の表情のかなり細かいところまで見分けることが出来るので、職場では個人的な要件を切り出す際に利用される。恋人や配偶者がこの距離にはいるのは自然ですが、他の異性がこの距離にはいると誤解の生じる恐れがあります。
③【社会距離】つかず離れずが仕事では最適!!
近接相(120~210㎝)/遠方相(210~360㎝)
相手の体にふれることもできないし、相手の顔の微妙な変化を見る事もできない距離なので、相手を支配するのが困難となります。仕事をするときの仲間との間でよく使われる距離です。パーティーなどの社交上の集まりなどはこの距離がよく使われています。
特に、遠方相では、他人を気にせず自分の仕事ができるし、他人の迷惑にならない距離でもあります。お偉方のオフィスにある大きな机は訪問者を遠方に足止めにし、この距離を確保するためのものです。夫婦が居間でこの距離に座っていると、それぞれ別々なことができるし、互いに好きな時に話したりすることもできます。
④【公衆距離】ここまでくると、意思の疎通はむずかしい
近接相(360~750㎝)/遠方相(750㎝以上)
相手の様子がよくわからなくなり、個人的な関係が成立しにくい距離です。この距離では気楽にその場から抜け出すことができます。講演や演説の際に利用される。
大物政治家とかスターなど、VIP級の重要人物のまわりには自然とこうした空間が出来上がる。この距離では普通の話ができなくなるので、身振りや姿勢などのコミュニケーションが重要な意味を持ってくる。
好きな人、親しみを感じている人には接近するが、嫌いな人からは遠ざかる。また、話をする時、遠くにいる人より近くにいる人に好意を持ちやすい。
これは、パーソナル・スペースの基本原則です。
部下に好意を伝えたければ、仕事の打ち合わせなどの時に、できるだけ接近して話すといい。
当然、相手が不快に感じないことが大前提です。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。それでは、また!!