子供の頃に、「大人ってどうしてこうなんだろう?自分はあんな大人にはならないぞ」と思った人も多いと思います。
でも、大人になるとそんな気持ちも忘れて、やっぱり大人の都合で考えてしまいます。
社会人になったばかりの頃も、「俺達が、こんなに頑張っているのに、どうしてこの上司は分かってくれないんだ?俺が管理職だったら、もっと現場の気持ちを大切にするのに」と思ったことが一度ならずともあるはずです。
でも、自分が役職につくと、部下の気持ちなんか忘れてしまうのです。
あなた自身の人生を振り返ってみてください。
あなたの信頼できた大人、先生、先輩、上司とは、どんな人だったでしょうか?
共通することは、「あなたのことを認め、肯定してくれた人」ではないでしょうか!!
誤解しないでください。私は、「部下のことを肯定してあげましょう」などということ言っているのではありません。
誰かを受け入れてあげる。肯定してあげる。
「あなたが、誰かを受け入れてあげるとき、あなたは必ず相手よりも大きい存在だということ」です。
論理的に考えても、自分よりも大きなものを「受け入れる」ことはできません。だから、潜在意識的に、人は「自分を受け入れてくれる人には敵わない」と感じます。
否定語は、潜在意識に特殊な作用をもたらす
ところが、多くの人はこのことを正しく理解していません。
「この仕事は、期限には間に合いませんよ!!」と部下が口を尖らせて言って来たら、たいていのリーダーは、次のように言います。
「そうだな、確かに厳しいスケジュールだものな。でも、可能な範囲でいいから努力してみてよ」
これは、スケジュールがキツイという部下の訴えを受け入れたようで、実は受け入れていません。リーダー本人としては、一応、部下の訴えを受容したつもりになっているのでしょうけど、部下はそのようには感じていません。
なぜでしょうか?
それは、「確かに厳しいスケジュールだものな」と受けておきながら、そのあとで、「でも・・・・」と言ってしまっているからです。
「でも」というのは、英語で言えばBUTです。
このBUTは、潜在意識的に特殊な作用をもたらします。
「BUTは、その前に来るフレーズを打ち消し、その後にくるフレーズを強調するという作用がある」のです。
でも/しかしを、だから/そしてに言い換えるだけで
「でも/しかし」と言わずに、「だから/そして」と言うことです。
先ほどのセリフをこう言い換えればいいのです。
「そうだな。確かに厳しいスケジュールだものな。「だから」、可能な範囲でいいから努力してみてよ。
わかりますか?
論理的には、前の文章とはまったく同じ意味です。しかし、印象としては、まったく違うものになります。
こう言われれば、部下にとって、自分の訴えを受容してもらえたという気持ちは消えません。BUTで後から否定していないからです。したがって「可能な範囲で努力してみてよ」というリーダーの指示も素直に受け入れたくなるのです。
チームメンバーの「苦情」をまずは受け入れた後、つい「でも・・・」という接続詞を口にしてしまいそうになったら、それをグッと堪えて、「だから/そして」という接続詞に置き換えてみてください。
部下の反応や動きがまったく違ってくるはずです。自分のことを受け入れてもらえたという印象が強く残るからです。
是非、今日から
「でも」「しかし」を、「だから」「そして」に言い換えて見て下さい!!
本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。それではまた!!